相続で受け取る財産の中でも、とりわけ大きな割合を占めることが多いのが「不動産」です。不動産の評価額は相続税計算に大きく影響するため、評価方法をしっかり理解しておかなければなりません。

【この記事でわかること】

  • 不動産評価の計算が重要な理由
  • 土地・建物の評価方法(路線価方式と倍率方式)
  • 相続税に係る土地の評価は自分でできるか
  • まとめ

 

しかし、「自分で評価額を調べたり計算したりするのは難しそう」だと感じませんか?そこでこの記事では、相続税に係る不動産の評価方法や評価額の計算方法について説明していきます

 

不動産評価額が重要な理由

日本では、自宅や事業用地などの不動産を所有している方も多く、相続時の財産評価額の中で土地や建物が最も大きな割合を占めるのが一般的です。現金・預金なら金額が明確ですが、不動産は評価方法や立地・形状などによって計算が変わるため、相続税計算において難易度が高い部分となります。

 

評価額で変わる税負担

相続税は、遺産全体の評価額から基礎控除などを差し引いた課税価格に税率をかけて算出します。そのため、不動産の評価額が1割上下するだけで、最終的な相続税負担が大きく変わる可能性があるのです。不動産について正確かつ適正な評価を行うことで、正しい相続税額を導き出すことができます。

 

不動産にかかる相続税|土地・建物

不動産といえば「土地」「建物」の2種類に大別されますが、相続税の評価でも分けて考えられます。

 

【土地の評価方法】

    • 路線価方式・倍率方式などで評価
    • 角地や不整形地などの補正が入り、複雑になりやすい

 

【建物の評価方法】

    • 原則として固定資産税評価額を用いる
    • 家屋の種類(自宅・事業用)や築年数によって評価が変わる

 

以下では、それぞれの評価方法について詳しく見ていきます。

 

土地の評価方法と計算例

土地は路線価方式か倍率方式のいずれかで評価額を算出します。

 

路線価方式

路線価は、国税庁が毎年公表する「道路(路線)に面した1㎡あたりの価格」です。都市部や市街地ではほとんどの場合、この路線価が設定されており、土地の評価は基本的に路線価方式で行います

  • 1㎡あたりの単価(例えば「150E」と表示されれば15万円/㎡を意味する)
  • 国税庁のサイトや路線価図で確認可能
  • 毎年7月頃に更新

 

【路線価方式の計算式】

評価額=(路線価×面積)×各種補正

  • (路線価×面積)→基礎的な評価額
  • 補正→土地の形状(不整形地、狭小地、角地など)や奥行き、間口が狭いなどの要素に応じた加減算がある

【計算例】

  • 路線価:200,000円/㎡
  • 敷地面積:100㎡
  • 不整形地補正:-5% と仮定

(200,000×100)×(1−0.05)=20,000,000×0.95=19,000,000

ここで算出された19,000,000円が、その土地の相続税評価額となります(ほかにも角地補正などがあれば適宜加減算)。

 

倍率方式

路線価が設定されていない場所(主に地方や農村部など)では、倍率方式が用いられます。

  • 固定資産税評価額をもとに国税庁が定めた「倍率」をかける
  • 毎年、地域ごとに倍率が公表される

【倍率方式の計算式】

評価額=固定資産税評価額×倍率

例えば、固定資産税評価額が500万円で、倍率が1.1なら、「500万円×1.1550万円」がその土地の評価額になります。

【計算例】

  • 固定資産税評価額:500万円
  • 倍率:1.1倍

500万円×1.1=550万円

ここで算出された550万円が倍率方式による評価額ということになります。

 

建物の評価方法

建物については、固定資産税評価額がそのまま相続税評価額になるのが一般的です。

  • 自宅や事業用の店舗・アパートなど、すべて原則として固定資産税評価額を適用
  • 固定資産税評価額は3年ごとに改定される

 

建築中の家屋や特殊なケース

  1. 建築中の家屋
    • 完成していない場合は、建築進捗に応じた評価が必要
    • 通常、支出した建築費用の一定割合(例:70%など)を目安に評価
  2. 門・塀・庭園設備
    • 再調達価格から経過年数による減価を考慮して評価する
  3. 区分所有建物(マンション)
    • 共有部分や専有部分の区分を把握し、固定資産税評価額から割り振る

 

相続税計算における不動産評価の流れ

相続税計算の最初のステップとして、遺産総額を確定するために不動産の評価額を計算します。手順は次の通りです。

  1. 土地の評価
    • 路線価方式、または倍率方式
    • 各種補正を加味して最終評価額を算出
  2. 建物の評価
    • 原則、固定資産税評価額を用いる(特殊ケースは別途計算)
  3. 合算して他の財産(預金や株式など)と合計
    • 相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人)を超えるかどうかを判定
  4. 超過部分に相続税を計算
    • 小規模宅地等の特例や配偶者控除などがあれば適宜反映

 

不動産評価額を算出する際の注意ポイント

不動産評価は、補正率や建物の減価によって結果が大きく変動する領域でもあります。過剰に高く評価してしまうと相続税を払いすぎる恐れがあり、逆に低すぎれば追徴課税を受けるリスクがあります。

  • 土地形状や周囲の状況、角地補正、奥行補正などの細かいルールを把握する必要あり

 

小規模宅地等の特例の適用

自宅や事業用の土地を相続する場合、小規模宅地等の特例」を適用することで80%(事業用・居住用宅地の場合)など評価額を大幅に下げられる場合があります

  • 要件:被相続人の居住用宅地であること、配偶者や同居親族が引き続き住むなど
  • 適用するためには申告書に明確に記載し、必要書類を添付する必要がある

 

不動産の評価を専門家に依頼すべき理由

不動産、とりわけ土地の評価は、評価の仕方によって金額が大きく変動するため、相続税計算に大きな影響を及ぼします。同じ広さの土地でも、立地や形状、周囲の環境によって評価額が異なることは珍しくないのです。

 

もし評価が不適切だと、納付すべき相続税が高くなりすぎたり、逆に少なすぎたりして、あとで訂正や還付を請求せざるを得ない事態にもなりかねません。だからこそ、初回の申告で正しい評価を行っておくことで、余計な手間やトラブルを避けられるはずです。

 

自分で不動産評価を行うリスク

しかし、相続に不慣れな人物が相続不動産の評価を行った場合、本来の価値とはかけ離れた数字が出てくる可能性があります

 

「自分でやった方がお金がかからないのではないか」「自分でも調べればできるのではないか」と思うかもしれませんが、不動産を評価したり税額を計算したりする作業は、思うよりとても複雑で専門的な知識や経験が求められるものなのです。

 

適切な専門家に相談・依頼を

不動産の評価額計算を依頼するなら税理士が適切ですが、専門家といっても相続関係の経験が十分かどうかは別の話になってきます。もし、相続税の計算や土地の評価に不安がある場合は、相続関連の経験を十分に持った税理士などに依頼し、正確な数字を導き出してもらい納得のいく手続きを進めるようにしましょう。

 

まとめ

不動産の評価は相続税の計算において最も影響が大きく、また評価方法がやや複雑です。土地については路線価方式・倍率方式を使い分け、補正率も考慮し、建物については固定資産税評価額を基本としつつ特殊ケースに注意することが必要となります。

 

また、小規模宅地等の特例や配偶者控除などの制度と組み合わせると、結果的に大きく課税財産を引き下げることができるかもしれません。評価を誤ると追徴課税や払いすぎのリスクも生じるため、できるだけ専門家によるサポートを受け、不動産評価額および相続税額を正しく計算し間違いのない申告に繋げましょう

 

当行政書士法人では、信頼できる税理士や司法書士と連携しながら充実したサポート体制を整えています。窓口となる行政書士は相続手続きの経験豊かであるため、さまざまな相続ケースについて対応することができます。ぜひ、弊社の無料相談をご利用いただき、不安な点などを早いうちに解決しておきましょう。

 

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