被相続人が亡くなり、その方名義の不動産(土地や建物)を相続した場合、まず行わなければならないのが相続登記です。相続登記によって名義を変更した後、不動産を売却して換価分割(売却後の現金を相続人で分配)を検討する方も少なくありません。

 

ここでは、相続した不動産を売却・相続登記する際の主な注意点を整理しながら、土地の種類別の特徴や名義変更のポイント、売却の流れについて説明していきます

 

相続する土地の種類を理解

まずは、相続対象となる土地の種類を把握することが大切です。土地は大きく分けて以下の5種類に分類できます。

 

1.居住用宅地

被相続人が居住していた自宅が建っている土地です。

  • 相続後にそのまま住む
  • 賃貸住宅や事業用として活用する
  • 売却して現金化する

など、用途はさまざまです。

 

2.事業用宅地(建物あり)

被相続人の名義で、店舗・事務所・倉庫などの建物が建っている土地を指します。借主がいる場合は賃借権が守られるため、売却を考える際は借主との交渉が欠かせません

 

3.事業用宅地(土地のみ)

建物はなく、土地自体を事業目的で賃貸借契約により貸し出しているケースです。こちらも同様に賃借権が保護されるため、売却する場合は借主との慎重な協議が必要となります。

 

4.遊休不動産

現在使われておらず、今後も利用する予定がない土地をいいます。

  • 駐車場や太陽光発電などの土地活用
  • 売却して現金化

など、相続人の判断で選択肢が広がります。

 

5.農地

農地以外の目的では原則利用できないため、転用や売却を検討する場合は、農業委員会の許可が必須です。規制が多いため事前確認を怠らないようにしましょう。

 

相続した土地の名義に関する注意点

相続不動産を活用・売却する前に、まず確認すべきなのが土地の名義です。名義を変更せずに放置すると手続きが複雑化し、将来的にトラブルが生じるリスクが高まります。

 

単独名義で土地を相続する場合

以下のようなケースについて考えてみましょう。

 

  • 遺言書で相続人が指定されている
  • 遺産分割協議の結果、単独相続となった

 

このような場合は、相続登記を完了させればその土地を自由に売却や活用できます。ただし、ほかの相続人が納得していない場合は、事前に十分な話し合いをしておくことが大切です。

 

共有名義で土地を相続する場合

複数の相続人がそれぞれ共有持分を有しているケースでは、土地を活用・売却する際に全相続人の同意が必要です。

 

  • 同意を得るまでに時間と手間がかかる
  • 1人でも反対する相続人がいると手続きが進まない

 

以上のような問題が起きやすい点に注意しましょう。換価分割で現金化して分配する方法を検討するのも、トラブル回避策の一つです。

 

名義変更を放置していた場合のリスク

相続登記を行わずに放置すると、数次相続が進んで相続人が増加したり、遠縁の親族が相続人になったりする可能性があります。こうした状況になると、遺産分割協議がスムーズに進まないケースが多いため、なるべく早めに名義変更を済ませることが肝心です。

 

相続不動産を売却する流れ

相続した土地を売却し、換価分割する場合の一般的な手順を把握しておくと安心です。

 

1.遺産分割協議を行う

遺言書がない場合、相続人全員が集まって遺産分割協議をし、遺産分割協議書を作成します。

 

  • すべての遺産内容と相続人を明記
  • 全員の署名・押印
  • 作成日を明記

など、法的効力をもつ書類にするため、行政書士など専門家のチェックを受けると安心です。

 

2.相続登記をする

被相続人名義の土地を相続人名義に変更する手続きが相続登記です。管轄の法務局に必要書類を提出することで、正式に所有者として登記されます。

 

3.不動産を売却する

相続登記完了後、不動産会社に仲介を依頼して販売活動(広告や内覧対応など)を行います。

 

  • 仲介売却:高値が期待できるが、買主探しに時間がかかる場合もある
  • 買取:価格はやや下がりがちだが、早期に現金化できる

 

相続税の納付期限(10ヶ月以内)に間に合わせたいケースでは、買取を選択する方法も検討するとよいでしょう。

 

4.売却益を分配する

無事に売却できたら、得た金銭を相続人で分配します。法定相続割合に応じて受け取るのが一般的ですが、あらかじめ遺産分割協議で取り決めておくとトラブルを防げます。

 

相続登記とは

相続登記とは、被相続人(亡くなった方)名義の不動産を相続人に名義変更する手続きのことです。令和6年(2024年)4月から相続登記が義務となったため、放置すると過料の対象となるリスクが高まります。将来的なトラブルを避けるためにも、早めの手続きが重要です。

 

相続登記の流れ

  1. 相続人の確定
    戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍などを取得し、誰が法定相続人にあたるかを確認します。
  2. 遺産分割協議・遺言書の確認
    遺言書の有無や相続人全員の合意により、最終的な相続内容を決定します。
  3. 必要書類の準備
    戸籍関連書類、住民票、固定資産評価証明書などを揃えます。
  4. 法務局で登記申請
    不動産が所在する管轄の法務局へ書類を提出し、名義変更を申請します。
  5. 登記完了通知を受け取る
    申請が受理されれば登記が完了し、正式に相続人へ名義が移ります。

 

必要書類の例

  • 相続人全員の戸籍謄本・住民票
  • 被相続人の除籍謄本・改製原戸籍など
  • 遺産分割協議書(または遺言書)
  • 不動産の固定資産評価証明書
  • 登記申請書(法務局所定の様式)

 

相続登記の注意点

  • 期限内の手続き:2024年4月以降、相続登記を怠ると過料が科される可能性があります。
  • 費用負担:登録免許税や専門家への報酬など、一定の費用が発生します。
  • 複数の相続人がいる場合:共有名義になる場合は、以降の売却や転用にあたり全員の同意が必要です。
  • 名義変更の放置はNG:数次相続が重なるほど手続きが複雑化し、相続人間で意見が対立するケースも増えます。

 

専門家に相談するメリット

遺産分割協議書の作成や相続登記など、相続に関わる手続きは法律や税金の知識が求められ、当事者のみで行うのは難しいことが想定されます。特に、相続税の申告・納税期限(10ヶ月以内)を念頭に不動産を売却して金銭を分配するためには、専門家からの助言や依頼を検討することが大切です。

 

  • 手続きの効率化
    行政書士や司法書士に依頼することで、書類作成や法務局への申請をスムーズに進められます。
  • トラブル回避
    相続人同士の意見調整や契約書類の不備を未然に防ぎ、後々の紛争リスクを低減できます。
  • 相続税対策
    税理士との連携により、相続税申告や節税対策も含めた総合的なサポートを受けられます。

 

当行政書士法人のサポート体制

当行政書士法人は、相続全般に豊富な経験を有しており、不動産相続を伴うケースにも対応可能です。必要に応じて司法書士や税理士とも連携し、相続登記から相続税の納付にいたるまで一貫してサポートします。

 

  • 相続登記や共有名義の手続き
  • 相続税や納税スケジュールの管理
  • 不動産売却の流れに関するアドバイス

など、幅広いご相談に対応いたしますので、安心してお任せいただけます。

 

「相続した不動産をどう売却すればよいのか分からない」「誰に相談すればいいのか不安」といった疑問がありましたら、ぜひ当行政書士事務所の無料相談をご利用ください。状況を丁寧にヒアリングした上で、最適な対策や具体的な手続きをご提案いたします。

 

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