土地や不動産を含む遺産を相続すると、相続税の負担が心配になるかもしれません。そのようなときに活用したいのが「小規模宅地等の特例」です。この特例を上手に活用することで、相続税の課税対象となる土地の評価額を最大80%減額でき、結果的に相続税を大幅に節税できる可能性が見えてくるからです。

 

ここでは、相続における小規模宅地等の特例のしくみや適用条件について説明していきます

 

小規模宅地等の特例とは?

小規模宅地等の特例」は相続税法によって定められた制度で、被相続人が所有していた土地のうち一定の要件を満たした宅地について、最大80%の減額を受けられるというものです。土地の評価額が大幅に下がるため、最終的に支払う相続税も大きく軽減されるメリットがあります。

 

小規模宅地等の特例が適用される3つのパターン

小規模宅地等の特例は、土地の利用目的や面積に応じて、主に以下の3種類に分けて適用されます。

 

  1. 特定居住用宅地(自宅の敷地)
  2. 特定事業用宅地・特定同族会社事業用宅地(事業用地)
  3. 貸付事業用宅地(賃貸物件の土地)

 

それぞれの内容と、どの程度の面積まで評価額が減額されるかを詳しく見ていきましょう。

 

1.自宅の敷地(特定居住用宅地)

対象面積:330平方メートルまで(約100坪)

  • 減額率:評価額の80を減額(=課税評価額が20%になる)

被相続人が居住していた自宅の敷地が該当します。土地の面積が330平方メートルを超える場合、超過分については特例を受けられないため、相続税計算時には通常の評価額が適用されます。

 

2.事業用地(特定事業用宅地・特定同族会社事業用宅地)

  • 対象面積:400平方メートルまで
  • 減額率:評価額の80を減額(=課税評価額が20%になる)

被相続人が事業を営んでいた土地、または同族会社で使用していた土地が対象です。自宅の敷地よりも広めの400平方メートルまで特例が適用される点が特徴で、事業用資産としての相続税を大きく抑えることができます。

 

3.賃貸物件の土地(貸付事業用宅地)

  • 対象面積:200平方メートルまで
  • 減額率:評価額の50を減額(=課税評価額が50%になる)

被相続人がアパートやマンション、駐車場など賃貸事業を営んでいた土地については、最大200平方メートルまでが対象になります。ただし、減額率は50%となるため、居住用や事業用の宅地に比べると節税効果はやや限定的です。

 

小規模宅地等の特例を受けるための主な条件

小規模宅地等の特例を適用するには、相続税申告書を提出する際に一定の要件を満たしていることを証明する必要があります。大まかな条件は以下のとおりです。

 

対象となる相続人

  • 配偶者
  • 被相続人と生前から同居していた親族
  • 生計を共にしていた親族
  • 単身赴任などやむを得ない事情で別居していたが、実質的に同居と同等とみなされる親族

 

配偶者は、居住用宅地に関してはほぼ無条件で特例を受けられるケースが多いです。一方で、同居親族などは相続開始前から申告期限まで、その土地に住み続けている必要があるなど、細かい要件が定められています(ただし、申告期限後に売却や転居した場合は基本的に問題ありません)。

 

相続税の申告期限内に手続き

小規模宅地等の特例を受けるには、相続税の申告期限(被相続人の死亡日から10か月以内)までに申告書を提出しなければなりません。申告が遅れると特例が適用されない可能性が高いので、手続きの遅延には十分注意が必要です。

 

特例活用の注意点

自宅の敷地と事業用地が併存している場合や、別の地域に賃貸物件の土地がある場合など、複数の小規模宅地が相続対象になるケースもあります。そのような場合、面積の合計が特例の上限を超えると、一部しか特例を適用できない可能性があります

  • 居住用宅地:330平方メートルまで
  • 事業用宅地:400平方メートルまで
  • 貸付事業用宅地:200平方メートルまで

それぞれの面積や減額率を意識して、どの宅地に優先的に特例を使うか検討することが大切です。

 

名義変更や居住実態の確認が必要

同居親族が特例を受ける場合、被相続人と同居していた事実を示すために、住民票の住所や公共料金の支払い実態などがチェックされることがあります。後から「同居していなかった」と税務署に指摘されると、特例が取り消されるリスクもあるため、日頃から書類を整えておくと安心です。

 

小規模宅地等の特例を活用するメリット

小規模宅地等の特例を活用することで、特に節税や事業承継の面で大きなメリットを享受しやすくなります。

 

大幅な節税につながりやすい

特例を活用することで最大80%の減額が適用されるため、土地の評価額を大きく下げることが可能です。不動産のもともとの評価が高額であるほど、その節税効果は非常に大きくなるでしょう

 

たとえば、自宅敷地の評価額が1億円だった場合、この特例を活用すれば評価額が8,000万円減額され、課税対象額は2,000万円となります。結果として、支払う相続税が大幅に減少します。

 

事業継承がスムーズになりやすい

事業用地や賃貸物件の土地については、特例を適用することで次世代への継承負担を大幅に軽減できます。相続税の納税負担を減らすことができるため、事業資金の確保や運転資金の捻出がしやすくなるといえるでしょう。

 

まとめ

小規模宅地等の特例」は、土地の評価額を大幅に下げられる非常に有利な制度ですが、その適用要件や手続きは細かいルールが多く、間違いがあると最悪の場合、特例を受けられなくなってしまうこともあります。

  • 対象面積や減額率の確認
  • 誰がその土地を相続するか(配偶者・同居親族など)の確認
  • 相続税申告期限内に正確な書類を作成する

税理士や相続に詳しい専門家に相談しながら手続きを進めることで、書類不備や期限切れなどのトラブルを回避し、最大限の節税が実現できるでしょう。

 

当行政書士法人では初回無料相談を実施しておりますので、相続税の申告や土地評価の手続きに不安をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。相続に詳しい税理士や司法書士と連携し、不動産の名義変更から相続税申告まで一括してサポートいたします

 

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