相続とは、被相続人(亡くなられた方)の持っていた財産を、相続人が受け継ぐことをいいます。財産を無償で得ることになるため、場合によっては相続税が課される点に注意が必要です。

 

ここでは、相続税の申告は自分でできるか、具体的な手続きの流れを説明していきます

 

相続税課税の目的

相続税とは、被相続人の財産(現金、預貯金、不動産など)を受け継いだときに課される税金です。課税される理由として大きく2つの事柄を挙げることができます。

 

 不労所得への課税

    • 通常、働いて得た収入には所得税がかかります。
    • 相続による取得は労働の対価ではないため、「不労所得」として課税対象になり得ます。

 

財産の過度な集中を防止

    • 特定の人が巨額の財産を一度に相続することを抑制し、経済の公平性を保つ目的があります。

 

相続税申告までの流れ

相続開始を機に、相続手続きが始まり、相続人は一般的に次のようなステップを踏んで手続きしていきます。

 

相続開始とともに相続人・相続分を確定

    • 誰が相続人になるか、財産をどのように分けるかを大まかに決める。

 

 相続方法の決定(3ヶ月以内)

    • 単純承認:プラス・マイナス含め、すべての財産を引き継ぐ
    • 相続放棄:一切の財産を相続しない(マイナスの財産を避けるときに選択される)
    • 限定承認:プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を引き継ぐ

 

遺産分割協議

    • 複数の相続人がいる場合、財産の分け方を協議。
    • 決定後、遺産分割協議書を作成し、必要に応じて各種名義変更を行う。

 

相続税申告・納税(10か月以内)

    • 被相続人が死亡した翌日から10か月以内に、申告と納税を完了させる必要がある。
    • 期限までに完了しないと、延滞税や加算税が発生するリスクがある。

 

相続税の申告期限の具体例

「120日に被相続人が死亡」した場合、 同年1120日が相続税の納付期限となります。ただし、以下の注意点がありますので確認しておくことが大切です。

  • その日が土日・祝日の場合は、翌平日が期限
  • 提出先:被相続人の死亡時の住所地を管轄する税務署

 

相続税申告のペナルティに要注意

期限内に相続税申告が行われなかった場合、延滞税無申告加算税などのペナルティが発生する可能性があります。また、利息として利子税が課せられるケースもあるため、ギリギリまで放置するのは避けましょう。

 

  1. 延滞税
    • 期限超過した日数に応じて加算
  2. 無申告加算税
    • 無申告であった場合、追加の税金が課される
  3. 利子税
    • 未納分に対して日割りで計算される

 

葬儀・遺産分割協議で忙しくても申告は必須

被相続人が亡くなると、お葬式の準備や遺品整理、遺産分割協議などで相続人は多忙になりがちです。さらに、家庭裁判所に調停を申し立てる場合は、心労が大きくなり、あっという間に10か月が過ぎてしまうことも考えられます。自力での手続きが難しければ、早めに専門家に相談して力を借りてもいいかもしれません。

 

期限の延長ができるケースとは?

原則として、相続税の申告期限10か月ですが、例外的に延長が認められる場合があります。たとえば、下記のような事情が発生したときに、新たに2か月の延長が認められる場合があります。

 

  • 相続人の変動(廃除など)
  • 遺留分の侵害額請求があった
  • 遺言書を新たに発見した
  • 胎児が生まれ、追加の相続人が生じた など

 

こうした事情がある場合は、税務署に相談し、適切な手続きを行うことで延長が認められるケースもあるため、あきらめずに対応しましょう。

 

相続税の計算例

相続税には基礎控除があり、以下の算定式で金額を導き出すことができます。相続財産の評価額が基礎控除額を超えない場合は、相続税がかからないケースが一般的です。

 

3,000万円+(600万円×法定相続人の数) =基礎控除額

例)
法定相続人が3人なら「3,000万円 + 600万円 × 3 = 4,800万円」が基礎控除額になります。もし相続財産の総額が基礎控除内に収まれば、相続税の申告・納税は不要です。ただし、土地や株式などの評価が複雑な財産が含まれる場合は、専門家に確認するのが安心でしょう。

 

相続税申告までの流れ

  1. 相続開始(被相続人の死亡)
  2. 3ヶ月以内:相続放棄・限定承認などの申立期限
  3. 4ヶ月以内:所得税の準確定申告(必要な場合)
  4. 10か月以内:相続税の申告・納税(必要な場合)

 

具体的なスケジュールについては、以下の記事をご参照ください。

→「遺産相続時の手続き期限|いつまでに何をすればいい?

 

相続税の申告期限は意外と短いため、相続財産の把握や書類準備に時間がかかると、間に合わないリスクが高まります。余裕をもって取り組みましょう。

 

専門家に相談したほうが良い理由

状況、事情によっては、自力で手続きするより専門家に相談したり依頼したりする方が良い場合もあります。たとえば次のようなケースでは、専門家の力を借りることを検討してもいいかもしれません。

  • 申告漏れ・計算ミスの回避
    税理士などの専門家に依頼すれば、財産評価や控除の適用漏れ、書類不備を防げます。

 

  • 時間と労力の削減
    戸籍謄本の取り寄せや金融機関とのやり取りに時間がかかるため、プロのサポートで手間を削減できます。

 

  • トラブル防止
    相続人同士の意見が合わない場合でも、専門家が間に入って調整しやすくなります。

 

まとめ

相続税は、被相続人から財産を受け継ぐ際にかかる場合がある税金です。

 

  • 不労所得への課税富の集中防止がその目的
  • 10か月以内という申告期限が短く、基礎控除額を超えると相続税が発生し得る
  • 相続放棄や限定承認などの手続きも含めて、期限厳守が重要

 

相続の手続きは想像以上に煩雑で専門知識が求められる場面が多いため、迷ったら弊社の無料相談をご利用いただき、相続に詳しい行政書士に相談することをおすすめします。早めに準備を始めれば、申告漏れや時間切れによる延滞税などのトラブルを防ぎ、スムーズに相続手続きを完了できるでしょう。

 

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