「亡くなった家族が不動産を所有していたようだが、どのように確認すればいいのか?」突然の相続で不動産を相続するかもしれないとき、正確な情報がなければ手続きを進められません。
ここでは、被相続人が所有していた不動産を調べる具体的な手順について説明していきます。山林や農地など見落としがちな不動産にも注意していきましょう。
被相続人が不動産を所有していたかを調べる理由
両親や親族が亡くなったとき、不動産の相続が発生するケースは珍しくありません。遺言書があれば不動産を含む財産分割もスムーズに運ぶ可能性がありますが、突然の事故や予期せぬタイミングで相続が開始してしまうと、被相続人がどのような不動産を所有していたのか分からないまま相続手続きを進めなくてはならないこともあります。
不動産の存在を把握していなければ、固定資産税の支払いが滞ったり、売却の手配ができなかったりするなど、後々大きなトラブルに発展するかもしれません。こうした事態を避けるためには、被相続人が所有していた不動産を適切に調査・確認することが必要なのです。
被相続人名義の不動産をどのように調べればいいか、代表的な方法を以下で確認していきます。
固定資産税の納付通知書で不動産の有無を確認
固定資産税は、毎年1月1日時点で不動産を持っている人に課税されます。したがって、被相続人が不動産を所有していれば、必ず固定資産税の納付通知書が市区町村から送付されているでしょう。被相続人の自宅や書類を整理していて、納付通知書が出てきた場合は、不動産を所有していた可能性が高いと判断できます。
納付通知書が見つからない場合に想定すべきケース
納付通知書が見つからないからといって、必ずしも不動産を持っていなかったとは限りません。以下のようなケースも考えられます。
- 共有物件の場合、納付通知書はほかの共有者の住所に送付されている
- 被相続人が違う場所に保管していたか引越しなどで転送されずに紛失している
- 被相続人が固定資産税を滞納していたため書類が所在不明になっている
こういった理由に該当する場合もありますので、納付通知書の有無だけで判断せず、他の方法でもしっかり調査することが大切です。
登記資料や権利証から所有不動産を把握する
家の中を整理していると、「権利証(登記済証)」や「登記識別情報通知書」などが出てくる場合があります。これらの書類には、不動産の所在地や面積、地番、建物の構造など重要な情報が記載されています。もし見つかった場合、その不動産が被相続人名義の財産である可能性が大きくなります。
書類が見つからなくても手続き可能
被相続人名義の不動産に関する書類が一切見つからなかった場合は、後述する「名寄帳」や役所での調査により、事後的に不動産の所在を確認することが可能です。
ただし、権利証や登記識別情報が手元にない状態で相続登記などを行う場合、追加の手続きや書類が必要になる可能性があるため、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
名寄帳を役所で取得して不動産の全体像をつかむ
名寄帳(なよせちょう)とは、市区町村の役所で管理されている固定資産税の課税台帳のようなものです。名寄帳には、被相続人が所有していた土地や建物が一括して記載されているため、家屋や宅地、農地、山林など、あらゆる不動産を網羅的に把握できます。
名寄帳を取得できる人と必要書類
- 取得できる人:相続人(故人の戸籍謄本などで相続関係を証明した人)
- 必要書類:
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 被相続人と相続人の関係を示す戸籍謄本(死亡の事実が記載されており続柄がわかるもの)
自治体によって必要書類が異なる場合がありますので、事前に役所に確認しておきましょう。名寄帳を請求する際は、資産税課や市民税課といった担当部署で手続きを行います。
名寄帳の活用メリット
名寄帳を取得することで、市区町村内で被相続人が所有していた不動産を漏れなく確認できます。特に、次のような情報を得ることができるため、以後の手続きの円滑化が期待されます。
- 宅地だけでなく山林・農地も一括確認できる
- 共有名義の不動産も記載がある場合が多く、他の共有者がいるかどうか把握できる
- 不動産の評価額を一通り確認できるため、固定資産税や相続税の見通しを立てやすい
ただし、名寄帳は市区町村単位で作成されているため、被相続人が複数の市区町村に不動産を持っていた可能性がある場合は、すべての市区町村に名寄帳を請求する必要があります。
地方に多い山林や農地に注意
山林や農地は評価額が低く、固定資産税が免税点以下となる場合もあります。納付通知書が存在しないため、「不動産は所有していない」と思い込んでしまうケースも皆無ではありません。名寄帳を調べることで、免税点以下の土地もしっかり把握することが可能です。
山林や農地の管理・売却の難しさ
山林や農地は、管理が行き届かないと周囲に迷惑をかけたり、後になってから固定資産税の請求が来たりする可能性があります。売却も宅地に比べて難しく、相続放棄や国庫帰属制度などの選択肢を検討する必要が出てくるかもしれません。名寄帳を活用して早めに情報を得て、どう処分・管理するかを検討しましょう。
相続登記や遺産分割協議をスムーズに進めるために
相続により不動産を受け継いだ場合、相続登記(名義変更)を行う義務があります。正当な理由なく登記を放置すると過料(罰金)の対象となる可能性がありますので、所有不動産の有無をきちんと確認し、速やかに相続登記を行いましょう。
共有物件の相続で注意
被相続人の不動産が共有名義だった場合、通知書や登記上の記載が別の共有者宛てに送付されていることがあります。また、共有者が誰なのかを把握しないまま相続手続きを進めた場合、トラブル化する可能性も生じるため、名寄帳や登記簿の情報を照らし合わせながら、他の共有者と連絡を取り合って協議を進めましょう。
まとめ
相続手続きでは、被相続人が不動産を所有していたかどうかを最初に調べておくことが重要です。不動産に関する調査を疎かにしてしまうと、相続税や固定資産税の納付、売却・管理の方針決定などについて相続人同士が揉めることもあるからです。
名寄帳の取得や関連書類のチェックを怠らず、相続に詳しい専門家に相談しながらスムーズな相続を目指しましょう。当行政書士法人では、以下のような側面からサポートを行っています。
- 不動産調査のサポート:名寄帳の取得や登記簿謄本の確認手続き
- 相続登記・相続放棄などの申請書類作成・手続き代行
- 共有不動産の分割協議支援
無料相談も実施しており、戸籍収集・相続人確定・財産目録作成から、相続税や登記変更のご相談もお受けしています。相続に関する不安や疑問をお持ちの方は、お気軽に当事務所へご相談ください。各分野の専門家が連携し、円満な相続手続きの実現に向けてしっかりサポートいたします。










