日本のマイナンバー制度は、「社会保障」「税」「災害対策」の円滑化を目的として整備されました。住民票を持つ人には固有の12桁のマイナンバーが付与され、さまざまな行政手続きで本人確認をスムーズに行えるようになっています。たとえば、年金や健康保険といった社会保障の手続き、相続税や所得税といった税金の申告などで、マイナンバーが活用されます。

 

ここでは、相続においてマイナンバーと銀行口座の紐付けがどう影響するのか説明していきます

 

相続とマイナンバー

もともとマイナンバーは、国民の利便性向上と行政側の事務作業効率化を目的として導入されました。紙を使った書類手続きが主流であった日本では、マイナンバー制度が書類手続きの電子化を進歩させる1つの要因になったといわれています。

 

マイナンバー制度と銀行口座の関連性

相続が発生すると、被相続人の財産や負債を把握し相続人に分配する相続手続きが必要になります。

 

マイナンバー「相続税の申告」や「銀行口座の凍結解除」など、様々な場面で確認されるケースが増えてきました。特に銀行口座の扱いにおけるマイナンバーの役割が重要になってきていることもあり、相続手続きを円滑に進めるためにも、マイナンバーと銀行口座の関連を理解しておくことが重要です。

 

相続手続きでのマイナンバー確認

金融機関によっては、相続手続きを進める過程でマイナンバーの提出を求められるケースがあります。これは、「相続税の課税状況を正確に把握する」「相続人の身元確認を厳格化する」といった目的が背景にあるためです。近年は、銀行口座の開設や各種変更手続きにおいてもマイナンバーの提出が求められることが増えています。

 

相続開始により被相続人のマイナンバーはどうなる?

被相続人のマイナンバーは、死亡届の提出によりその効力を失います。ただし、被相続人名義の銀行口座に関する税務情報や取引履歴は、行政や金融機関が適切に管理するため、口座の相続手続きにあたり必要書類の一部として活用される場合があります。

 

口座管理法・口座登録法について

2024年4月より、新たな法律として口座管理法口座登録法が施行されました。これにより、銀行などの金融機関とマイナンバーの紐づけ範囲が拡充され、口座情報をより便利に管理できる仕組みが整備されていきます。

 

口座管理法とは?

2024年4月に施行された「預貯金者の意思に基づく個人番号の利用による預貯金口座の管理等に関する法律(通称:口座管理法)」では、希望者は複数の金融機関へ一度にマイナンバーを届け出ることができるようになりました。ただし、20244月~20253月までは、これまでどおり「個別の金融機関にのみ」届け出る形になります。

  • 任意の手続き
    マイナンバーの届け出は強制ではなく、「任意」で行うものです。
  • 災害時・相続時のメリット
    2025年3月以降にマイナンバーを届出していると、災害発生時に他行の口座をまとめて照会しやすくなるほか、相続手続きで被相続人(亡くなった方)の口座がどこの金融機関にあるかを確認する際に役立つ見込みです(ただし、被相続人が生前に口座へマイナンバーを紐づけていた場合に限る)

 

口座登録法とは?

口座登録法により、預金口座を国にあらかじめ登録しマイナンバーと紐づけることで、年金や児童手当、所得税の還付金など、幅広い給付金をスムーズに受け取れる仕組みを整えることができるようになりました

  • 公金受取口座
    このように登録された口座を「公金受取口座」と呼びます。20253月以降(予定)、金融機関の窓口などでも公金受取口座の登録が可能になるため、行政手続きをさらに簡略化できるでしょう。
  • 安心の仕組み
    国が口座残高を勝手に把握したり、口座から税金を引き落としたりすることは行われないとされています

 

口座管理法(預貯金口座付番制度)のポイント

2024年4月から「預貯金口座付番制度」も見直され、新たな仕組みが加わりました。銀行等の口座とマイナンバーを付番(紐づけ)しておくと、将来的に以下のような「もしも」のときに役立ちます。

 

1.相続手続きがスムーズに

被相続人の口座がどの金融機関にあるかを一度に照会できる可能性があります。遺産分割にあたって複数の銀行をまわる必要が減り、相続人の負担が軽減されることが期待されます。

 

2.災害時の資産照会

大規模災害で通帳やカードを紛失してしまった場合でも、マイナンバーがあれば口座の所在を把握しやすくなります

 

相続税の申告にマイナンバーの記載が必要な理由

相続税申告書には、相続人全員のマイナンバーを記載する欄が設けられています。これは「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」の制定に伴い、国税通則法が改正されたことによります。

 

税務署では、マイナンバー制度への周知期間を考慮し、現時点で記載がない申告書も受理していますが、なるべく正しくマイナンバーを記載することが推奨されています。

 

まとめ

相続手続きにおいて、マイナンバーは非常に便利なツールとなりますが、財産や負債の内容が流出するのではないかと不安をお持ちの方は少なくありません。ただし、相続手続きについていえば、マイナンバーを銀行口座と連携させておくことのメリットは大きく、手続きそのものをスムーズにしてくれることが期待されます

 

当行政書士法人ではさまざまな相続ケースの取扱い経験があり、相続税の試算や生前対策、実際に相続が起きた後の手続きサポートなど、状況にあわせたベストな提案を行っています。状況に応じて司法書士や税理士などと協力し、包括的なサポートを行うことも可能ですので、お困りの方はぜひお気軽に無料相談をご利用ください。

 

問い合わせバナー
無料相談受付中予約カレンダー
無料相談受付中
予約カレンダーメールでのお問い合わせ電話でのお問い合わせLINEでのお問い合わせ