被相続人の戸籍収集や金融機関の相続手続きは、自分でもできる代表的な相続手続きの例だといえます。
自分でできる戸籍収集方法
相続手続きを行ううえで欠かせないのが、被相続人の出生から死亡までの一連の戸籍です。必要な戸籍を役所に請求して収集する際、次に挙げるような点に留意することで効率良く作業を進めることができるでしょう。
「相続手続きに必要なすべての戸籍が必要」と伝える
役所に出向いて被相続人の戸籍、除籍、改正原戸籍を取得しようとするときは、「相続手続きのために請求する戸籍が必要である旨」を伝えると、交付がスムーズになることが期待できそうです。
戸籍請求時には、役所窓口に備え付けの書式に必要事項を記入しますが、欄外に「相続手続きに必要なため、被相続人○○の取得可能なすべての戸籍の交付を希望」と書き入れ、窓口でもその旨を伝えます。相続手続きが書類請求の目的であるとわかれば、窓口および戸籍の係の方もスムーズに必要なすべての戸籍を交付してくれるでしょう。
戸籍を遡る方法を尋ねる
相続手続きには、被相続人の出生から死亡までの一連の戸籍が必要です。出向いた役所で出生から死亡までの戸籍すべては取得できませんので、戸籍を遡り、別の役所で別途戸籍を請求することになります。
そこで、今回訪れた役所で被相続人の戸籍の交付を受けたら、「遡って過去の戸籍を取得するにはどうすればいいか」を尋ねてみましょう。役所がそこまで混んでいなければ、係の方が戸籍情報を参照して「どこの役所に請求すべきか」を教えてくれる可能性があります。
過去の本籍地が遠方にあった場合は、インターネットで該当する地の役所を調べ、戸籍謄本等郵送請求書をダウンロードして郵送請求するといいでしょう。または、電話でやり方を聞いてみるのもいいかもしれません。
現存しない市町村が見つかったら合併先の役所を調べる
市町村は過去から合併を繰り返して現在にいたっていますから、被相続人の戸籍を調べていくと、現存しない市町村に辿り着くこともあるかもしれません。そのようなときは、戸籍に記載されている古い地名をインターネット検索し、現在の市町村名を探し出してみましょう。市町村名がわかれば、あとは役所のホームページを閲覧し、戸籍の郵送請求について確認すれば大丈夫です。
役所のホームページには、戸籍の請求書式がアップロードされていることが多いので、これを利用し、「使用目的」などの欄に「相続手続きに必要なため、被相続人○○の取得可能なすべての戸籍の交付を希望」と記載しておきます。
郵送請求時は戸籍の時期範囲を尋ねておく
郵送請求した場合、送られてきた戸籍がどの時期のものか、どこまで遡ったものかわからないことも考えられます。到着してから慌てることがないように、郵送請求時には請求書式に「被相続人のいつからいつまでの戸籍なのか教えてください」と書き入れておくといいでしょう。何をして欲しいかを明確にしておけば、時期的範囲を教えてくれることが期待できます。
郵送請求の料金は定額小為替で支払う
戸籍の交付手数料は、郵便局の定額小為替で支払います。定額小為替の購入方法については郵便局に確認してみましょう。
戸籍の交付手数料は全国一律で、以下のようになっています(令和6年12月現在)。
- 戸籍謄本:1通450円
- 除籍謄本:1通750円
- 改正原戸籍:1通750円
被相続人の連続した戸籍を取得する場合、合計額が変動する可能性もあるため、郵送請求の場合はできるだけ定額小為替を多めに同封しておくことが勧められます。
自分でできる金融機関の手続き方法
金融機関に口座を保有している被相続人は数多くいますので、相続人はおのずと預貯金の相続手続きを行うことになるでしょう。
なお、被相続人の入院中や死後間もなくのタイミングで、被相続人の口座からお金をおろしてしまうと、遺産分割協議を行う際にトラブルになることがありますので注意が必要です。どうしてもおろさなければならないときは、葬儀代ほか至急の支払いが必要な場合に限り、必要な額をおろし、他の相続人に納得してもらえる状況を作っておくことが肝心です。また、相続放棄を検討している人は、被相続人の口座からお金をおろすことは避けましょう(単純承認したとみなされる可能性があるため)。
金融機関の相続手続きの必要書類を揃える
遺言書がなく、被相続人の預貯金や有価証券を相続する際、一般的には以下のような書類を揃えて提出することになります。
- 被相続人の出生から死亡までの一連の戸籍謄本
- 除籍謄本
- 改正原戸籍
- すべての相続人の戸籍謄本(または抄本)
- すべての相続人に印鑑登録証明書
- 金融機関備え付けの相続手続き依頼書
必ずしも遺産分割協議書を提出しなければならないわけではなく、遺産分割協議が済んでいる場合は金融機関の求めに応じて提示する、というものであると理解しておくといいでしょう。ただし、相続人の間でトラブルが生じるのを防ぐためにも、遺産分割協議書自体は作成しておくべきだといえます。
戸籍関係証明書は原本を返還してもらえる
戸籍謄本や戸籍抄本、除籍謄本など戸籍関係証明書は、ほとんどの場合返還してもらえます。相続手続きを行う金融機関の分だけ戸籍を取得すると費用も膨れ上がりますので、必要な戸籍謄本は一部だけ取得しておき、1箇所の手続きを済ませたら返還してもらい、次の手続きに備えると経済的です。
法定相続情報証明がなくても相続手続きはできる
法務局で取得する法定相続情報証明は、1通あると戸籍を都度提示しなくても良くなるので非常に便利です。しかし、法定相続情報証明の取得には手間と時間がかかりますので、相続手続きすべき金融機関の数が少ない場合は、法定相続情報証明を取得することなく戸籍謄本原本をもって手続きするのも1つの方法です。
金融機関により印鑑登録証明書の期限が異なる
金融機関によって、提出書類の1つである印鑑登録証明書の使用期限は異なります。早い段階で印鑑登録証明書を取得してしまうと、複数金融機関の手続き時に期限切れとなる可能性もありますので、あらかじめ各社における印鑑登録証明書の期限を確認しておくことが大切です。
相続手続きを専門家に依頼するとスムーズに
手間と時間をかけても問題ない場合は、自分自身で相続手続きを進めていくことは決して不可能ではありません。しかし、現実問題として、相続手続きを行ううえで法的知識や専門知識が欠かせない場面もやってきます。
経済的事情から、どうしても専門家に相続手続き全般を依頼できない場合もありますが、そのようなときは、専門家が提供する無料相談を利用したりある分野に限って専門家に依頼したりするなどして、できるだけスピーディーかつ正確な手続きを実現することをお勧めします。
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